トリゴネリンとは、コーヒーに含まれる成分のひとつです。

トリゴネリンは加熱に弱いという特徴があるため、コーヒーの生豆に多く含まれています。トリゴネリンは脳神経細胞の働きを活性化する作用があると言われ、認知症の予防に役立つのではということで研究が進められています。
トリゴネリンは加熱すると“ニコチン酸”という栄養素に変化します。加熱すればするほどニコチン酸が増える傾向にあるため、しっかり焙煎した深煎り豆のほうがニコチン酸は多く含まれます。

ニコチン酸は植物性の食品に含まれるビタミンです。

動物性食品に含まれる「ニコチンアミド」と「ニコチン酸」を総称して「ナイアシン(ビタミンB3)」と呼ばれ、代謝に欠かせない栄養素のひとつで、糖質や脂質がエネルギーに変わるのをサポートします。
また、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きや毛細血管を広げる働きがあり、これらを通じて血液をサラサラにして血行を良くするという働きをします。

コーヒーとナイアシン

現代の日本人の食生活では不足することはあまりないですが、ナイアシンが不足すると、皮膚炎や下痢などの症状が現れることがあります。江戸時代後期、帝政ロシアは植民地の拡大を図り、現在の北海道近くに偵察に来ていました。そのため、幕府は津軽や会津など東北の人たちを集め、特別な部隊を派遣して警備にあたらせたそうです。

しかし、その兵達は厳しい寒さと栄養失調により、浮腫病(現在でいうナイアシン欠乏症)にかかってしまい、多くの人が命を落としてしまいました。そこで、再び派遣された際には、浮腫病の予防薬としてコーヒーが配給されました。その効果は明らかで、コーヒーを飲むことで浮腫病による犠牲者は一人もいなくなったそうです。

その後、亡くなった方々の死を悼み、北海道の稚内市にある宗谷歴史公園にコーヒーの形をした記念碑がたてられたそうです。

津軽藩兵詰合記念碑

画像提供元:一般社団法人 稚内観光協会

(参考:コーヒー健康情報センター)


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