- はじめて日本にコーヒーが伝わったのは、江戸時代初頭の長崎出島で、人々に受け入れられるようになったのは、明治時代になってからです。最初、日本人はその味と香りになじめなかったそうです。
西欧諸国ではコーヒーハウスが次々とオープンして、コーヒー文化と呼べる文学や
- 芸術が開花していたころ、日本は江戸時代で、厳しい鎖国政策の真っ只中にありました。当時最先端だった飲み物のコーヒーは、長崎出島のオランダ商館設立(1641年・寛永18年)以降オランダ屋敷に持ち込まれただろうと推測されます。
しかし外国人に接触できたのは、役人、商人、通訳、遊女などの限られた日本人のみ、1776年(安永5年)に記された「ツンベルグ日本紀行」(山田珠樹訳・雄松堂書店刊)には、「二、三の通訳のみがようやくコーヒーの味を知るのみである」とあります。
せっかく出島に入ってきた西洋文化の象徴「コーヒー」も、江戸時代の日本では普及しませんでした。
本格的な普及は、明治も半ばを過ぎてからになります。