ナイアシン
コーヒー生豆に含まれるアルカロイドの一つであるトリゴネリンは、焙煎の過程で分解されて、ナイアシン(ビタミンB3:ニコチン酸やニコチン酸アミドなど)と呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。
ナイアシンはヒト自身が必須アミノ酸であるトリプトファンから合成できるので、厳密なビタミンの定義にはあてはまりません。
しかし、その合成に比較的多量のトリプトファンが消費されるため、直接にも摂取することが望ましいと考えられており、成人では一日当たり約15mgが必要量だと考えられています。
コーヒー一杯あたりには約1mg当量のナイアシンが含まれており、その摂取源としての役割を期待することができます。
※だからと言って、一日の摂取量お摂るために、コーヒー15杯飲むのはお勧めしません。(*´з`)
カリウム
カリウムは野菜や果物に多く含まれる必須ミネラルの一つであり、成人の一日必要量は1.5〜2.0gとされています。
コーヒー一杯には100mg弱のカリウム(50%果汁のジュースとほぼ同程度)が含まれます。
その反面、カフェインによる利尿作用によってカリウムの排出も促されるので、健常者では腎臓が体内のカリウム濃度を調整しているため、大きな影響を考える必要はありません。
一方、腎不全など重篤な腎機能障害によってはカリウムの一日摂取量の上限を定めている場合があり、この場合にはコーヒーの飲み方は医師や看護師さんと相談してください。
炭水化物
コーヒーの生豆の約50%は炭水化物からなるが、焙煎による化学変化と抽出効率の問題から、ヒトが栄養源として利用可能な糖としてはコーヒーの抽出液中にはあまり含まれません。
一方、コーヒーにはアラビノガラクタンやアラビノマンナンに由来する多糖類やオリゴ糖類が含まれており、これらの成分が体脂肪減少や糖質代謝、腸内細菌バランスに与える影響についての研究も行われています。