運動不足でお腹まわりが気になるあなた、コーヒーを毎日飲むことで脂肪肝の発生を抑えられるというお話です。
肪肝とは、肝臓に中性脂肪が多く蓄積された状態のことで、肝臓に占める中性脂肪が全肝細胞の30%を超えて溜まった状態を脂肪肝と呼びます。
脂肪肝の原因は、運動不足とカロリーオーバー。
食べすぎや飲みすぎで肝臓に中性脂肪やコレステロールが溜まってしまいます。
脂肪肝が恐ろしいのは、心筋梗塞や狭心症などの心臓病、脳梗塞など血管系の疾患につながり、糖尿病、動脈硬化も含め、脂肪肝の人はこれらの病気に罹りやすくなります。
公益財団法人 三越厚生事業団の嘱託医 船津和夫先生は、健診センターの問診票やデータを活かして、生活習慣病の疫学的研究に取り組んできました。
当時の問診票には、緑茶の設問はあったものの、コーヒーはなかった。コーヒーを楽しむ日本人は増えている。そこで船津さんは「コーヒーを1日に何杯飲むか」という項目をつくった。
当時、「γ‐GTPの数値が高い人は高血圧が多い」という報道があった。同様に心臓病も多いといわれていた。
1990年ごろからは「コーヒーは肝障害を改善する」という研究が海外で発表されてもいた。
船津さんはこれらの情報を組み合わせて「コーヒーを飲むとγ‐GTP値が下がるのなら、血圧も下がるのではないだろうか」と考えた。それがコーヒーを研究するきっかけです。
研究の結果、コーヒーは脂肪肝をはじめ肝臓のいろいろな病気に効果があるということが判りました。また、それを裏付けるように、アメリカでは「コーヒーを飲むと肝障害の人でも改善効果がある」、イタリアでは「コーヒーは肝硬変を予防する」という研究発表がされ、注目を集めたそうです。
その後、国立がんセンターが「コーヒーを多く飲む人ほど肝がんを予防する」というデータを発表。また、最新のメタ解析では「コーヒーを1日に3杯飲むと肝細胞がんのリスクが半分になる」という結果も得られているそうです。
参考:全日本コーヒー協会