久留米大学医学部教授の足達寿さんが、今回の研究のもとになる「田主丸研究」を元にして、さらにぶんせきをして、コーヒーがメタボリック症候群の改善に効果があると発表しました。
では、「田主丸研究」とは
これは福岡県の田主丸町の住民を対象に、1958年の集団検診から始まったコホート研究だ。
アメリカ、オランダ、フィンランド、ギリシャ、イタリア、旧ユーゴスラビア、日本の7カ国による国際共同研究で「Seven Countries Study」と呼ばれている。
日本では農村の代表として田主丸町を、漁村の代表として牛深市(現・天草市)を取り上げました。
足達さんは1989年から田主丸研究に携わり、最初の仕事は「陰膳買い取り調査」に関する地道な作業でした。
「調査対象となったご家族に、朝食、お弁当(昼食)、夜食をすべて一膳ずつ余分につくってもらい、それをプラスチックの容器に詰めて研究室に持ち帰り、大きなミキサーに入れて粉砕します。どのような食事をしているのかを調べるためです。
およそ30世帯に1週間毎日通って集めるのですが、先輩たちに『お前はメシをとってこい!』と言われて駆け回りました」(足達さん)
このような経験を積んだ足達さんは今、伝統ある田主丸研究を牽引する立場となっている。
メタボを抑える、コーヒーの効果
代謝異常の根底にあるのは内臓に溜まった脂肪です。
わかりやすく言うと『脂肪肝』の存在があります。
脂肪肝にはサイトカインという物質がありまして、これが人体に悪い影響を及ぼすといわれています。
そこで田主丸研究の一環として、コーヒーと緑茶がメタボリック症候群に及ぼす関係を探りました。
結果は、緑茶が飲用量で影響がなかったが、コーヒーは毎日多く飲んでいる人ほどメタボリック症候群の症状の改善が見られた。
コーヒーを飲むことがメタボリック症候群を改善に向かわせる理由について、「あくまでも仮説ですが、コーヒーに多く含まれるカテキンの作用が考えられます」と足達さんは言う。カテキンといえば緑茶にも多く含まれているイメージがあるが、それは玉露など高級なお茶のことで、実は普段飲む煎茶や番茶にはカテキンはあまり入っていないそうだ。
「コーヒーはデカフェでもよいのです。
そのもとになっているのは「クロロゲン酸」といわれていますが、私たちはそこまで調べていないので推測の域を出ません」
デカフェでも効果が期待出来るそうです!
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