アディポネクチンは、内臓脂肪から分泌されるタンパク質です。
アディポネクチンの効用はというと、まず、血管の内側に出来た小さなキズを埋めて治す。
血管は何かにつけて小さなキズができ、そこから動脈硬化などが始まるわけだが、アディポネクチンはこれを見つけて埋めて修復する。
また細胞のインスリン抵抗性を減らし、インスリンがうまく働くように作用する。
インスリン抵抗性というのは、膵臓からインスリンが分泌されても、全身の細胞がインスリンに抵抗してブドウ糖を吸収しない現象で、これがあると血糖値が高い状態が続いてしまう。
また分泌されるインスリンの量もどんどん増えて、膵臓が酷使され疲弊してしまうそうです。
アディポネクチンは細胞のインスリン感受性を調整し、インスリン抵抗性を下げるという働きを持ち、さらにアディポネクチンは脂肪を燃焼し、糖の取り込みを促進する。
これらの作用から、アディポネクチンはメタボリック・シンドロームの治療に役立ち、逆にアディポネクチンの不足がメタボリックシンドロームを引き起こしているという仮説もあるようだ。
またアディポネクチンはガンなどの腫瘍を小さくするという報告もある。
そしてうれしいことに、アディポネクチンは年を取っても分泌量が減らないタンパクで、しかも長寿に関係するタンパクだという。
というのも100歳以上の女性と若い女性を比べた場合、100歳以上の女性が若い女性の2倍も多いアディポネクチンを持っていたというのだ。
コーヒーを飲むとアディポネクチンが増える!
最近の研究で、アディポネクチン血中濃度はコーヒー摂取量に伴って増加することが分かりました。
また、全身の炎症の指標である高感度CRP、中性脂肪、肝機能マーカーは、コーヒー摂取量が増えると、それぞれ減少することが分かりました。
つまり、コーヒー摂取量が増えるとアディポネクチンも増え、それを介して中性脂肪と炎症反応の減少、肝機能マーカーの減少をもたらす可能性を示したことになります。