今回は濃くておいしいコーヒーの話です。
最近巷で、「サードウェーブコーヒー」というワードがもてはやされてます。
これは、東京・清澄白河に米西海岸のコーヒー焙煎所ブルーボトルコーヒーが上陸し、同じくしてコールドプレスジュースなどヘルシーブームが起きたこともあって、そこいらの雑誌では「オシャレで健康的で良いことしてるやつナイス!」のように十把一絡げに扱われて注目を浴びました。
しかし、この「サードウェーブコーヒー」は、実は時をさかのぼること30年以上前、1978年に起こった「スペシャルティコーヒー」に端を発するのです。
まず、サードウェーブコーヒーの根源となった「スペシャルティコーヒー」とは、歴史上は1978年、フランス・モントリオールで開催された国際コーヒー会議で提唱された「特別な地域の、特別な地理的条件が、特別な風味の珈琲を生む」を理念に、原産国のコーヒー協会では基準を設け、特においしいコーヒー豆をスペシャルティコーヒーとして認定することになりました。
ではサードウェーブコーヒーは、2000年代にコーヒーを煎れるバリスタのチャンピオンシップで優勝すると独立して店を持つ事が多かった。
しかしコーヒー豆を仕入れようとすると1回の取引量は少なくとも20トン規模になる。
新しく始めた1店舗だけで20トンを消化できるのかというと難しく、そこでスウェーデンやデンマークに形成されていたバリスタコミュニティーが注目され、コミュニティに入っている仲良しカフェを束ね、みんなでコーヒー豆を共同購入することにしたのである。
地域の小さなカフェが連帯して、農家と直接やりとりをすれば、仮想的ながら大手コーヒーチェーンと同等の取引ができるようになるわけだ。
この発想をアメリカに輸入してきたのが“サードウェーブ”なる文化の始まりだったのです。
彼らのやり方が非常に面白く、それまでのスターバックス等の味の濃い深煎り一辺倒ではなく、品質の良いスペシャルティーコーヒーをその豆の一番おいしい焙煎度合いで、美味しく飲んでもらう為、一杯づつドリップして飲んでもらい美味しさを理解してもらい人気が拡がっていきました。
さらにブレンドコーヒーではないという意味で“シングルオリジン”なんていう呼び方を出してきたのもこのころです。
その後、焙煎所レッキンボールのオーナーであるトリシュ・ロスギブ女史が、アメリカで起きた一連の流れを、アメリカのコーヒー業界に訪れた“第三の波”、つまりはサードウェーブと名づけたというわけで、10年以上前から言われていた言葉なのです。
雑誌で取り上げられた最新情報も意外に古い事もあるのですね