19世紀にパリをモデルに都市開発が行われたブエノスアイレスは、南米で最もヨーロッパの影響が色濃い街で、過去の繁栄を感じさせる中心街には、社交場として栄えたカフェが今なお残る。
現存するなかで最も古い、創業1858年のカフェ・トルトーニは、重厚感漂うインテリアが魅力で、訪れる観光客が終日絶えない。

壁には、かつてここに集った芸術家たちの絵画が掲げられ、店の奥には生前に通った文豪ホルヘ・ルイス・ボルヘスやタンゴ歌手カルロス・ガルデルらの彫刻が飾られている。まるで博物館のようなカフェはこの街の歴史を知る上で必見だ。

今も栄える老舗がある一方、再開発や好不況の時代の波に飲まれて閉店を余儀なくされるカフェも多い。

ブエノスアイレス市は、街の栄華の軌跡を残そうと歴史的、文化的価値のある古いカフェやバーを街の遺産として保護する法令を1998年に施行した。
保護対象とされたカフェやバーは、「カフェ・ノターブレ(名店カフェ)」と定義され、改装が制限される代わりに、市による広報の後押しを受ける。

文化局は、カフェ・ノターブレを舞台にした音楽イベントを毎年主催している。

カフェを活気づけるのが目的だ。


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