普段何気なく飲んでいるコーヒーは、15世紀にコーヒー豆の焙煎が始まり、17世紀に入り、器具の発達、ドリップ・サイフォン等でろ過して飲む現在のような香り豊かなコーヒーへと発達してきました。
コーヒー豆は豆と呼ばれていますが、豆ではなく、コーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの木の実の“種子”です。
焙煎が始まる前にはこのコーヒーチェリーを煮出して煮汁を飲んで、薬効があることが記述(アブダル・カジの手書き本『コーヒー由来書』1587年(現在パリ図書館秘蔵)より)されています。
現在、とても機能性成分が多いといわれ注目されているコーヒーチェリーについてご紹介します。
コーヒーチェリーとは
コーヒーの木はアカネ科に属する常緑樹です。白い小さな花が咲き、その後小さな緑色の実がなります。そして、その実は
だんだん大きくなると共に黄色から赤へと色づき、完熟するとさくらんぼに似た真紅色の実となります。そのためコーヒーの
果実はコーヒーチェリーと呼ばれています。
近年コーヒーチェリーの果肉と皮にも、機能性成分が多いことがわかり、食用として加工品にするなど注目されるようになってきました。
成分はクロロゲン酸を初め多くのポリフェノールを含み抗酸化作用などが期待できます。
コーヒーの栽培は、赤道付近の高地で行なわれるため、太陽が近く、紫外線のダメージを多く受けています。
そのような厳しい環境の中で育つため、大切な実を守ろうとする働きが備わったコーヒーチェリーには高い抗酸化作用を持つ成分を含むようになったのではないかと考えられています。
現在日本には千葉県・長崎県・沖縄県や小笠原諸島にコーヒー農園がわずかにありますが、一部の農園・研究施設以外では、生のコーヒーチェリーはほとんど手に入れることはできません。
検疫など厳しい制限もあり生のまま輸入するのは難しく、ジュースやジャム、サプリメント、コーヒーフラワー(コーヒー果実を粉にしたもの)など加工品として輸入されています。
機能性成分が多い注目のコーヒーチェリーの果肉や皮・それにコーヒー豆は、今後ますますスポットを浴びるかもしれませんね。
(参考:コーヒー健康情報センター)