コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」には、心筋梗塞や心筋炎を抑える機能があるようだ。心臓の炎症性疾患に対する機能とは?
コーヒーを飲むことが体内に起きる炎症を抑えたり、ストレスによる酸化を抑える作用があることは知られている。これはコーヒーに含まれるポリフェノールの一つ、クロロゲン酸の働きによるもの。クロロゲン酸は循環器疾患にも機能があるとされている。
循環器疾患とは、血液を全身に循環させる心臓や血管などが正常に働かなくなる疾患のこと。急性心筋梗塞や心不全などの「心疾患」と、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの「脳血管疾患」などがある。
心疾患は日本人の死因の第2位で、脳血管疾患は第4位だ。合計すると循環器疾患は死因の23.9%を占め、悪性新生物(がん)にも匹敵する高い割合だ。
コーヒーを飲む人は、炎症が広がりにくい。
血管内部の炎症から生まれた血の塊が、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血を引き起こす。そして心筋炎は心臓の筋肉組織が炎症を起こす。
東京大学大学院医学系研究科 先端臨床医学開発講座 鈴木淳一特任准教授の研究で
この二つの炎症とコーヒーの関係について、マウスを用いた実験で調べた。
結果は、クロロゲン酸を投与したマウスは心臓の炎症や心臓の血管のつまりによる
機能低下が起きた時の修復機能の向上が確認出来たそうです。
鈴木淳一特任准教授曰く、「クロロゲン酸は、心臓病の予防または治療に有用である可能性がある」という結果を得た今回の研究だが、鈴木さんは「予想通りでした」と語る。
「クロロゲン酸の抗炎症効果を考えれば、ある程度予測された結果でした。クロロゲン酸は心臓で起こるトラブル全体に効くと考えてよいでしょう」
コーヒーを眠気覚ましなどではなく、リラックスするために飲むことを勧める。心臓は、とにかくゆっくり動かすことが長生きにつながるのだそう。とすれば、コーヒーをゆったりとした心もちで飲むことが何よりも大切なのかもしれない。
(参考:全日本コーヒー協会)