食中毒を引き起こすO-157などの大腸菌や、胃の粘膜に感染して胃炎や胃潰瘍、胃がんを誘発するピロリ菌など私たちの身体に悪影響を及ぼす悪性の菌は数多く存在しますが、これらの菌に対し、コーヒーが抗菌作用を示すという結果が得られたそうです。

発表したのは、東海大学医学部の石井直明氏らのグループで、ピロリ菌、大腸菌とコーヒーの抗菌作用の関連性に関する実験だそうです。

ピロリ菌増殖抑制
実験は、抗菌作用を調べるときによく行われる寒天希釈培養という方法を用いて行われました。コーヒーを生理食塩水で薄めて1%と10%の濃度になるように寒天培地を作り、その上にピロリ菌を塗布して、72時間培養し、菌の増殖のある、なしを判定しました。結果、1%のコーヒー濃度でも菌の増殖を抑える効果が表れ、さらに10%の濃度では充分な効果が確認されました。

大腸菌増殖抑制
大腸菌に対する抗菌作用の実験では、寒天培地に大腸菌を培養し、生理食塩水で濃度1%と2%に薄めたコーヒーを用いて行いました。結果、1%濃度のコーヒーで大腸菌の生存率は、20%まで低下、2%濃度のコーヒーでは1%まで低下し、コーヒーの濃度が上がるほど、抗菌作用が強まるという結果が得られました。さらに、0%、12.5%、25%、50%濃度のコーヒーを含む100mlの液体のなかに大腸菌を加えた培養実験も行われました。結果は、コーヒーの濃度が上がるほど菌の増殖抑制効果は高くなることが示されました。

ピロリ菌・大腸菌の実験共に、菌の増殖が抑えられ、コーヒーに抗菌作用があるということが示されました。今後、コーヒーの抗菌作用が注目されるかもしれませんね。

 

(参考)全日本コーヒー協会 コーヒーのこと からだのこと


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