深煎りだとカフェインが多いという説、逆に少ないという説、両方が世間では語られていますが実際にはどうなのでしょうか。

焙煎によって減るカフェインは浅煎りが約10%で、深煎りが約15%。 生豆の量が同じであれば、深煎りのほうが約5%ほどカフェインが少ないといえます。 しかし、浅煎りにする時と深煎りにする時では重さの減り具合が違います。 焙煎した状態で同じ量の豆同士を比較しなければ意味がありませんので、 これをもって深煎りのほうがカフェインが少ないとは言えません。

浅煎りと深煎りで実際にどのくらいのカフェイン含有量になるのかをざっと計算してみます。
焙煎豆10g同士で比較するとして、生豆のカフェイン含有率を仮に1%とします。

浅煎りだと生豆の状態に比べて全体の重量が約15%、カフェインが約10%ほど減りますので、
浅煎り10gに含まれるカフェインの量は、(10/0.85)×0.01×0.9=0.10588g。105.9mgです。

深煎りだと生豆の状態に比べて全体の重量が約20%、カフェインが約15%ほど減りますので、
深煎り10gに含まれるカフェインの量は、(10/0.8)×0.01×0.85=0.10625g。106.3mgです。

少しだけ深煎りのほうがカフェインが多いという結果になりました。
しかし、その差はほんの僅か。ほぼ同じと言っていいでしょう。

アラビカ種の豆(ストレートで飲むのは、ほぼすべてアラビカ種のコーヒーです)のカフェイン含有率は、ものによって0.9%から1.4%ほど。 最大で1.5倍ほど含有量に差がありますので、焙煎の深さによる差よりもずっと大きいと言えます。

結論としては、「浅煎りも深煎りもカフェインの量は大差ない。豆の種類による差の方がずっと大きい。」


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