コーヒーと健康

心疾患(冠動脈疾患)や脳卒中とコーヒーの関連性についても、多くの研究者による研究が現在進行形で行われています。従来、コーヒーの成分には血圧を上昇させる作用があると言われており、高血圧が大きく関与する冠動脈疾患や脳卒中へのリスクが懸念されていました。特にヨーロッパでは、冠動脈疾患や脳卒中で亡くなる人の割合が女性で54%、男性で43%と多く、ヨーロッパで多く消費されるコーヒーと、冠動脈疾患リスクの関連性に注目が集まっています。

コーヒー摂取と冠動脈疾患リスクについては、2009年、中国の研究者グループが米国やスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、スコットランド、デンマークの計21のコホート研究(※1)に対するメタ分析を報告しています。それによると、全体として、コーヒーの飲用と冠動脈疾患の長期的リスクとの間に統計学的に有意な関連性はありませんでした。また、3万7514名を13年間追跡調査した2010年のオランダの研究報告では、1日2~3杯のコーヒー摂取群で冠動脈疾患リスクが最低であったことが報告されています。

これらの研究が示すように、コーヒーは冠動脈疾患のリスクを高めないという認識が有力になりつつあります。

社団法人全日本コーヒー協会 コーヒーとからだのおいしい話3 冠動脈疾患のリスクを下げるコーヒーの可能性 注目される冠動脈疾患と関連性より 抜粋

※1 コホート研究:ある特定の集団を一定期間追跡調査し、疾病発生とその要因との関連を調査する研究。


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