コーヒーを飲むと下痢になる…原因と対処法は?
眠気覚まし、気分転換、喉の渇きを癒す、リラックス、打ち合わせの必須アイテム…いろんな目的やシチュエーションで登場するコーヒー。大好きで毎日欠かせない!という人は、結構多いと思います。中には、自称「カフェイン中毒」を自慢する人もいたりします。
でも、コーヒーが大好きなのに、飲むと必ず下痢をしてしまうという人が、実は少なからずいるのです。コーヒー好きにとっては、それは辛い状況ですよね。また、仕事や付き合い上、コーヒーが飲めないと困るという人もいることでしょう。
そこで、コーヒーを飲むと下痢をしてしまう原因と、下痢にならない対処法をまとめてみましたので、参考にしてみてください。
コーヒーを飲んだら下痢になるのはなぜ?
コーヒーを飲むと下痢になる原因は、いくつか考えられます。悩んでいる人は、ひとつずつ自分に当てはまるかどうか、チェックしてみてくださいね。
カフェインが交感神経を刺激する
コーヒーには、玉露(又は濃いめの緑茶)に次いで、かなり多くのカフェインが含まれています。下に、一般的な飲み物に含まれるカフェイン量をまとめてみました。いずれも、飲み物100ml中に含まれるカフェイン量を示しています。
玉露(濃いめの緑茶) :120mg
レギュラーコーヒー :100~170mg
インスタントコーヒー :50mg
缶コーヒー(ブラック):50~100mg
紅茶 :20~60mg
栄養ドリンク :50mg
ココア :20~30mg
ほうじ茶 :20mg
玉露は一度に少ししか飲まない場合がほとんどですが、コーヒーの場合は、気が付いたらガブガブ飲んでいることも多いですよね。なので、飲み方を考えると、コーヒーが一番カフェインの摂取量が多いかもしれません。
カフェインは交感神経を刺激します。そうすると、自律神経が不安定になり、下痢の原因になることがあります。逆に便秘になる人もいます。
カフェインが下痢の原因であるかどうかを確かめるには、コーヒー以外にカフェインが含まれている飲み物、例えば、玉露や紅茶などを飲んでみて、同様に下痢になるかどうかをチェックしてみることです。玉露や紅茶を飲んでも下痢をしなければ、カフェインが原因ではない可能性があります。
なお、玉露や紅茶には、次にご紹介する原因であるタンニンという成分も含まれています。なので、例えば、タンニンを含まない栄養ドリンクを飲んでも下痢をするようであれば、カフェインが原因であると絞り込める可能性が高くなります。
タンニンが胃腸を荒らす
玉露や紅茶などを飲んでも下痢になったとしたら、カフェインの他に、もうひとつの原因が考えられます。それは、タンニンです。タンニンはポリフェノールの一種で、渋みの素でも知られています。
主な飲み物のタンニン含有量は、以下の通りです。いずれも、たくさん含まれていることがわかりますね。
玉露(濃いめの緑茶):100mg
レギュラーコーヒー :70mg
紅茶 :40~100mg
タンニンは、摂りすぎると胃腸を荒らす原因となり、その結果、下痢になる可能性があります。また、もともと、タンニンが体質的に合わない人もいます。
過敏性腸症候群である場合
敏性腸症候群は過敏性腸炎とも呼ばれますが、ストレスなども含め、ちょっとしたことが刺激となってしまい、腹痛や下痢、便秘、又は下痢と便秘を繰り返す、などの症状が現れます。カフェインも刺激物となってしまい、コーヒーを飲むと下痢をしやすくなります。
コーヒーの酸化
コーヒーには油分が含まれていて、時間とともに酸化します。豆の状態より、豆を挽いて粉にした場合の方が、早く酸化しますし、コーヒーを淹れた状態でも、どんどん酸化が進みます。
酸化したコーヒーは、酸味が増して味が落ちるだけでなく、胃への負担も増えますので、その結果、下痢をしやすくなります。
牛乳やミルクが体に合わない
コーヒーに牛乳やミルクを入れて飲む人は、その牛乳やミルクが体に合わなくて、下痢を引き起こしてしまう可能性もあります。
乳糖不耐症の人は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロとして下痢をしてしまいます。また、ミルク(コーヒーフレッシュ)は、植物油や乳化剤などが含まれており、体調が良くない場合は、これらのもので下痢を引き起こす可能性があります。
ですので、思い当たる人は、ブラックで飲むようにしてみましょう。
また、ミルク入りのホット缶コーヒーを買うときは、賞味期限にも注意してください。加熱した状態だと、製造から2週間程度で、ミルク成分が分離したり酸化したりしやすくなるようです。
コーヒーアレルギー
実は、コーヒーもアレルギーの原因(アレルゲン)となるのです。症状は、一般的なアレルギーと同様に、蕁麻疹が出たり、気分が悪くなったり、ひどいときには嘔吐したりもします。
化学物質が原因
コーヒー豆を焙煎したときにできる化学物質が、胃腸を荒らすことにより、下痢になることもあります。コーヒーを淹れた後、30分経つと、この化学物質の悪影響がより出てくるようです。
原因はわかったけど、それでもやっぱりコーヒーを飲みたい!という人や、飲まなければならないシチュエーションがある!という人も多いと思います。そこで、下痢にならない飲み方も、ご紹介しましょう。
飲み過ぎない
まず第一に、飲み過ぎないことが大事です。眠気を取るためだとか、ダイエットにいいから、などと言って、ガブガブ飲んでしまうと、下痢をするだけでなく、頭痛を引き起こしたり、気持ち悪くなったりすることもあります。また、カフェイン中毒になる可能性だって考えられます。
何ごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。コーヒーも、その人の体にあった適量があるはずです。体調にもよりますが、自分で「どのくらいの量なら大丈夫なのか?」を見極めてみましょう。
お湯の温度を下げる
コーヒーの粉を使ってコーヒーを淹れる場合、実は、お湯の温度によって、カフェインやタンニンの抽出具合が異なってきます。90度以上の熱湯で入れると、カフェインやタンニンがたくさん溶け出してしまうのです。
そこで、コーヒーを淹れるときは、沸かしたお湯を80度くらいに下げてから、淹れてみてください。また、粗めに挽いた粉を使い、注ぐときのお湯の量を多めにして、短時間で淹れるといいようです。
空腹時は避ける
目覚めの1杯は欠かせないという人も多いかもしれませんね。でも、今までご紹介したように、コーヒーに含まれるカフェインやタンニンは胃を荒らしやすいので、空腹時は避けた方がいいのです。
朝に飲むなら朝食を食べてから、3時の休憩に飲むときはおやつを食べながら、というふうに飲むようにしましょう。
淹れてから時間をおかない
前述したように、コーヒーは酸化しやすいものです。コーヒーを淹れてから時間をおくと、酸化が進んでしまい、胃を荒らしやすくなります。コーヒーを淹れたら、できるだけさっさと飲みましょうね。
と同時に、新鮮な豆や粉を使うことも重要です。いくらコーヒーを淹れてすぐに飲んだとしても、豆や粉が古く、酸化が進んでいる状態であれば、胃への負担が減らないので、意味ないですよね。
また、もともとコーヒーは酸性の飲み物なので、胃への負担を少なくするために、酸性度を下げると効果がある場合もあります。方法は、アルカリ性である重曹を少量混ぜるだけという簡単なもの。味は少しまろやかになる程度で変わらないので、おすすめです。
重曹は、掃除用ではなく、食用のものを使ってくださいね。「ベーキングパウダー」や「タンサン」という名称で販売されています。
カフェインレスコーヒーにする
カフェインが下痢の原因である場合は、カフェインレスのコーヒーを飲むようにするといいでしょう。今は、カフェインレスのコーヒーもコンビニなどで手軽に手に入りますし、スターバックスなどのお店でも注文できるようです。
また、コーヒー豆の代わりにタンポポの根を焙煎したタンポポコーヒーも、優しい味わいで人気です。体を冷やすコーヒーと違って、タンポポコーヒーは体を温めてくれるのも嬉しいポイントですね。
最後に、コーヒーを飲んで下痢をしたときに、その便が黒い場合について、まとめておきます。便は健康のバロメーター。ちゃんとチェックするようにしてくださいね。
コーヒーを飲んで出ることがある
食べたものによって便の色が変わるというのは、経験している人も多いのでは?コーヒーを飲んだ後の下痢便が黒い場合、コーヒーの色が出ているのかもしれません。コーヒー以外にも、ワカメなどの黒い食べ物や、肉をたくさん食べたときも、便が黒くなります。
いずれも、他に不調がなければ、様子を見ていいでしょう。
病気の可能性も
食べ物によるもの以外の原因として、病気が潜んでいるときにも、黒い便が出ます。特に、貧血がひどく、めまいがする場合などに、黒い便が出る場合は、胃腸などから出血している可能性があります。出血しているから貧血を起こし、その血が便に混ざって酸化することにより黒くなる、というわけです。
この場合、考えられる病気としては、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤、胃がんなどです。貧血・めまい+黒い便の組み合わせの場合は、一度、病院で診てもらいましょうね。
コーヒーとうまく付き合おう!
コーヒーを飲んで下痢をする原因と、下痢をしない飲み方をいくつかご紹介してきましたが、いかがでしたか?
好きな人にとっては切っては切り離せないものだし、そんなに好きではなくても飲まざるを得ないシチュエーションも多いコーヒー。飲む以上は、体に優しい飲み方をしたいものですね。
コーヒーの効能もいろいろわかってきています。今回ご紹介した飲み方も参考にして、コーヒーと上手く付き合い、さわやかな毎日を過ごしてくださいね。