コーヒーは世界中でもっとも飲まれている嗜好飲料の一つです。その歴史は古く、アルコールやお茶と並んで、従来から人々に愛されてきました。
「コーヒー」の呼び方はアラビア語でコーヒーを意味する「カフワ」が語源と言われています。現在日本では英語の「coffee」とフランス語の「cafe」が多用されているのは、皆さんもご存知のとおりです。
ここではコーヒーの木の概要と世界的に広く知られる代表的なコーヒーの産地とその特徴についてご紹介します。
コーヒーの木 3原種
コーヒーの木はアカネ目アカネ科コーヒーノキ属に分類されます。
原木はエチオピアがその起源といわれていますが、「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」を一般に3原種と呼びます。
このうち「リベリカ種」は病気や害虫に弱いため、あまり多くは流通していません。
世界で栽培されているコーヒーの7~8割はアラビカ種、約2割がロブスタ種といわれています。
いずれも熱帯の雨季と乾季がある地域が栽培には理想で、高地でよく栽培されます。
アラビカ種
栽培には海抜1000メートル前後の雨季と乾季がある高地が適しています。世界の流通の多くをこのアラビカ種が占め、ブレンドにもストレートにも用いられる良質な品種です。
ただし、気温の大きな変動や病害にはロブスタ種よりは弱いという性質を持っています。
ロブスタ種
ロブスタ種は苦みが強いためブレンドの味を引き締めるために用いられたりします。海抜500メートル以下の低地でも栽培が可能で、また病気や害虫には3原種の中でも特に強いといわれています。
ロブスタは英語の【robust:強健な】が語源といわれています。
リベリカ種
アフリカのリベリアを原産国とする3大品種の一つです。世界的にみて、生産量は多くありません。また主にヨーロッパで消費されているため日本ではあまり馴染みのない品種です。