コーヒーを飲んでも人それぞれ反応が違います。

例えば、コーヒー1杯で興奮する人もいれば、4杯飲んでも眠気が治まらない人もいます。

トロント大学のアフメド・エルソヘミ教授は、そこには遺伝子が影響していると考え調べたところ、「CYP1A2」という遺伝子が関連している事を突き止めました。

肝臓にCYP1A2を持つ人は、カフェインを素早く代謝できる。

両親それぞれから代謝のスピードが速い遺伝子多型を受け継いだ人(高活性型)は、代謝のスピードが遅い遺伝子多型を1つまたは2つ受け継いだ人(低活性型)よりも、カフェインの代謝が4倍速い。

エルソヘミの研究チームは、米国立衛生研究所(NIH)の助成を受け、成人4000人(うち約2000人は心筋梗塞の経験者)の遺伝子とカフェイン消費量の関係を調べた。その結果、1日4杯以上コーヒーを飲む人は、心筋梗塞を起こすリスクが36%上昇するらしいことがわかった。

しかし驚きの発見があったのは、その結果をカフェイン代謝の高活性型と低活性型にわけて見たときだ。コーヒーの大量摂取が心筋梗塞のリスク上昇につながるのは、低活性型の人だけだったのだ。

高活性型の人は、カフェインを早く処理が出来、コーヒーポリフェノールの恩恵のみを受けることが出来るので、コーヒーは体によい働きをします。

一方、低活性型の人は、カフェインの処理に時間がかかるので、体内に高活性型の人より長い時間カフェインが残ってしまい、それが体調に何らかの影響を及ぼしている

と考えられます。

この研究の結果だと、低活性型の人はコーヒーが飲まない方が良いとなりますが、

ノースウエスタン大学医科大学院のマリリン・コーネリス助教は別の考えです。

彼女の研究によると、カフェイン代謝には多くの遺伝子が関係しており、1〜2個の遺伝子にだけ注目すると、あとでがっかりすることになりかねないというのだ。

「カフェインの代謝には明らかにほかにも遺伝的・環境的要因が関係している。既存の検査ではその要因が把握されていないだけだ」。

という事で、現時点では「CYP1A2」という遺伝子もカフェインの代謝に影響する遺伝子の一つで、この遺伝子だけでコーヒーとの相性が決まるわけでは無さそうです。

今後の研究を待ちましょう❗

 

参考: York Times News Service


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