それは、シドニーにある「気候研究所」が発表した「The climate change risks to coffee(気候変動がコーヒーに与えるリスク)」の調査結果があったからです。
曰く、地球温暖化にともなう気候変動が原因となり、今日主要なコーヒープラントにおける収穫量が、軒並み減少傾向にあること。
そして、このまま異常気象が続けば、2080年までに世界中から野生種のコーヒーが絶滅する可能性を否定できないそうです。
コーヒーの野生種には3大原種(アラビカ・ロブスタ・リベリカ)があるが、現在世界で栽培されるものの約7割がアラビカ種。
その原産地はエチオピアと言われている。長い歴史の中でこの国から世界へと渡った原種は、その土地の気候や土壌に合わせてバラエティ豊かな香り・味わいへと変化していった。
品種も豊富で人気もあるこのアラビカ種が、今後70年以内に絶滅の危機を迎えている。
こうした懸念は、2012年の時点でもアラートを鳴らしていたようです。
「PLOS ONE」によると、英王立植物園の研究者らが当時、フィールド調査とコンピューターモデリングを組み合わせ、さまざまな気候条件下でのシミュレーションを実施。
すべては野生のアラビカ種への影響を調査するため。
結果はコーヒーを愛する人にとって最悪と言えるものに。
アラビカ種に適した生息地のじつに66%が消失。全滅の危機も間逃れないという試算だった。
現にエチオピアでは、この50年で年間平均気温が1.3℃上昇。生産量減の要因がここにもある可能性が。
コーヒーの産地は赤道を挟んだ北回帰線と南回帰線の間、「コーヒー・ベルト」の一帯でのみ生産され世界へと輸出されている。
そして温暖化による気候変動は、このコーヒー・ベルトを毎年のように襲っている。
たとえば、異常な高温と降雨に見舞われた2012年の中央アメリカ。
大半の農場でコーヒーの木に寄生する「コーヒーサビ病」に感染し、約35万人の労働者が職を失った。
翌年、ハワイ島コナでも病虫害による甚大な被害で生産量が激減。
この病虫害は、近年のキリマンジャロ(タンザニア)を襲い、今では20世紀に栽培していた地域よりも300メートルも標高が上昇した、と「The Telegraph」が報じている。
今後、段階的に生産量が減っていけば、当然ながらコーヒー豆の価格高騰も予想され、コンビニの100円コーヒーはおろか、サードウェーブに乗って急速に店舗数を増やした町のコーヒースタンドでも値上げに踏み切らざるを得ないかも。
となれば、ボディブローのように効いてくるのは、みなさんのお財布…。
科学の英知で克服して欲しいですね!