人間の体を構成する細胞には脂質(脂肪)が多く含まれ、これが酸素と結びつき酸化してしまいます。人間の体のサビ付きといわれる現象です。
脂質が酸化してできた「過酸化脂質」は、フリーラジカルという物質を発生し、これがDNAに影響を与え、突然変異のきっかけを作って、老化やがんの原因になると考えられています。
コーヒーには強い抗酸化作用を持つ「クロロゲン酸」等のポリフェノールが含まれており、脂質の酸化を抑える働きがあることが分かってきました。
和歌山県立医科大学化学教室(当時)の岩橋秀夫教授らの研究より
実験により、コーヒーに含まれるクロロゲン酸がフリーラジカルの生成を阻害するという仕組みを明らかになりました。酸化の予防とフリーラジカルの生成の阻害という二重の防御壁で、コーヒーはがんを防ぐ可能性があります。
岐阜大学大学院医学研究科腫瘍病理学講座の森秀樹教授らの研究より
ハムスターに発がん物質だけを与えた場合と、発がん物質とクロロゲン酸をいっしょに与えた場合について、大腸がんの発生率を調査。発がん物質のみはその40%に大腸がんが発生したのに対し、クロロゲン酸をいっしょに与えたハムスターにはがんの発生が見られませんでした。なんと0%です。 肝臓がんの原因になる別の発がん物質と人間が飲むよりも薄めのコーヒーをラットに与えた実験も行われましたが、この場合も、78%のがん発生率を22%まで抑える結果が得られています。
参考:全日本コーヒー協会