マロンズコーヒーブログ

コーヒーには体に良いと言う研究発表が多々されていますが、飲み方や低品質のコーヒーでは、体に良くない影響が出る事もあります。

今回は、コーヒーの害についてお話します。

色々と効用のあるコーヒーですが、では全く害はないかというと残念ながらそうではありません。
基本的にコーヒーは胃にやさしい飲み物で、ドイツでは開腹手術をした患者さんが術後最初に口に入れる飲み物としてコーヒーを勧める病院もあるようです。

 

消化性胃潰瘍
健胃効果のあるコーヒーですが、胃液分泌を促進するため消化性胃潰瘍を助長する働きもあります。
このような方やコーヒーを飲んで胃が痛くなる方はコーヒーを控えてください。

貧血
コーヒーに含まれるタンニンなどの成分は鉄イオンと結びついて難溶性の物質に変わります。このため、鉄分の吸収を阻害してしまうことがありますので、貧血気味の方は食後30分はコーヒーを飲まないようにした方が良いでしょう。(良質なコーヒー豆を使用して適切に淹れたコーヒーならばこの影響は少ないはずです。)

発ガン性
昔からコーヒーとガンの発生について色々取りざたされてきましたが、実際のところはどうなのでしょうか?
厳密に言えば、コーヒーの成分の中には発ガン性の疑いのあるものが少なからず含まれています。2002年末現在話題になったものではアクリルアミドという物質がその代表です。

アクリルアミドはアミノ酸の一つであるアスパラギンとブドウ糖が高温で反応することで生成され、加熱調理した食品の多くに含まれています。ごはんやパンにも含まれますが、最も濃度が高いのはポテトチップスです。国立医薬品食品衛生研究所によると467〜3,544μg/kg含まれているそうです。コーヒー(液体)に関しては詳しい数値がちょっと分からないのですが、ごく微量含まれているようです。

 

国際ガン研究機関(IARC)による発ガン性分類によると、アクリルアミドはディーゼルエンジンの排気ガス等と同類の『2A(人に対しておそらく発ガン性がある)』にランクされています。

なお、コーヒーは『グループ3(人に対する発ガン性については分類できない)』に、カフェインは『3(人に対する発ガン性については分類できない)』にランクされます。

ポリフェノールなどが活性酸素を除去し、過酸化脂質の発生を抑えることにより、肝臓ガンや消化器官のガンなどを予防する

  • 飲酒による肝臓の負担を軽減する。(カフェインの作用とは別に)
  • ニコチン酸(ビタミンB群に属する必須栄養素)が血液中のコレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する
  • 皮下脂肪の分解を促進し血液中の脂肪酸を増加させる。結果、持久力が増す。(ダイエット効果あり!?)
  • コーヒーに含まれるフラン類ニンニクやニラ等の臭いの元を消すことによる口臭予防などがあります。

フラン類とはコーヒーに含まれる成分の内、香りに関係するものの一つです。基本的なものはフルフランとも呼ばれ酸素原子1個を含む5員環の複素環芳香族化合物で文字通り芳香族性を示します。クロロフォルムに似た甘い香りがします

ニンニクやニラなどユリ科ネギ属の植物の独特な臭いは揮発性のイオウ化合物が原因です。

ニンニクにはアリインという物質とこれに働くアリナーゼという酵素がふくまれており、酸素の存在下でアリシンとα-アミノアクリル酸という物質が生成されます
(ちなみに、このアリシンには様々な薬効があります。例えばビタミンB1と結合して、アリチアミンという吸収性の良い活性持続型ビタミン物質に変化し、新陳代謝を活性化させます)

アリシンは比較的不安定で更にニンニクの悪臭(?)の元、ジアリルジスルファイドに変化します。

コーヒーに含まれるフラン類はこの揮発性イオウ化合物の[-SH]基に作用し、無臭化すると言われています。
(コーヒーに限らずお茶などにも含まれる所謂カテキンもこの作用をもっているようです)

なお、フラン類はコーヒー特有の成分ではなくお茶などにも含まれますが、総じてコーヒーの方が含有量が多く、同じお茶でもほうじ茶の方が多いことを考えると、主に加熱(焙煎)の過程で生じると思われます。また、フラン類は必ずしも体に良いものではないので誤解のないようにお願いいたします

口臭には口腔内に原因があるものと主に胃の中に原因があるものとに大別できますが、コーヒーが口臭予防として効果を発揮するのは臭いの物質が食べ物に起因する主に後者のものです。特にニンニクの臭いには有効ですが、臭いのメカニズムが一緒のものであれば幅広く効果を発揮します。
ただし、ミルクを入れたコーヒーですとこの作用は弱まるようです。

口腔内の口臭でもニンニク等が原因であれば効果を発揮しますが、条件によりコーヒーが口臭の元となることもあります

更に興味深いのは良く”アロマ”と呼ばれるコーヒーの香りの成分で、DNAの酸化や心臓の老化を妨げる抗酸化作用のある物質が300種以上含まれていると言われています。
その効果は1杯のコーヒーでオレンジ3個分と言われるそうですが、残念なことに淹れたてのコーヒーの香りだけで、5分もするとその効果が無くなってしまうそうです。

カフェインは植物界に広く存在するアルカロイド(含窒素塩基性物質)の一種でコーヒー豆の他にお茶の葉やカカオの種子などに含まれています。

アルカロイドの多くは薬理作用を持ち、薬にも毒にもなります。トリカブトの毒、ハシリドコロのロート根から取れるロートエキス、麻薬のコカインなどもアルカロイドの一種です。

※実際にはメチルキサンチン類と呼ばれるカフェイン様物質を総称してカフェインと言っています。

お茶にはテアニン、カカオにはテオブロミンがそれぞれ含まれ、薬理作用は似ていますが効果に強弱があります。

以前「カフェインには発ガン性がある」とささやかれたこともありましたが、様々な研究の結果、現在では「カフェインには発ガン性や変異原性はない」という認識で落ち着いているようです。

なにかと話題の多いカフェインですが、薬理作用としては以下のものがあります。

  • 平滑筋を弛緩させることによって気管支喘息や狭心症の改善に作用する(効果は弱いです)
  • 大脳皮質に作用して精神機能、知覚機能を刺激する結果、眠気や疲労感を取り除き、思考力や集中力を増す
  • 中枢神経に作用し、呼吸機能や運動機能を高める
  • 心臓の収縮力を高めることによる強心作用
    (低血圧を一時的に改善)
  • 腎臓に作用して利尿効果を促進する
  • 胃液分泌を促進し、消化を助ける
  • アセトアルデヒド(二日酔いの原因)の排泄を促進する。(二日酔いの頭痛に効果)
  • 脳内の血流を良くすることによって、脳血管性の偏頭痛を静める
  • ボケやパーキンソン病の予防効果

アディポネクチンは、内臓脂肪から分泌されるタンパク質です。
アディポネクチンの効用はというと、まず、血管の内側に出来た小さなキズを埋めて治す。
血管は何かにつけて小さなキズができ、そこから動脈硬化などが始まるわけだが、アディポネクチンはこれを見つけて埋めて修復する。
また細胞のインスリン抵抗性を減らし、インスリンがうまく働くように作用する。
インスリン抵抗性というのは、膵臓からインスリンが分泌されても、全身の細胞がインスリンに抵抗してブドウ糖を吸収しない現象で、これがあると血糖値が高い状態が続いてしまう。
また分泌されるインスリンの量もどんどん増えて、膵臓が酷使され疲弊してしまうそうです。
アディポネクチンは細胞のインスリン感受性を調整し、インスリン抵抗性を下げるという働きを持ち、さらにアディポネクチンは脂肪を燃焼し、糖の取り込みを促進する。
これらの作用から、アディポネクチンはメタボリック・シンドロームの治療に役立ち、逆にアディポネクチンの不足がメタボリックシンドロームを引き起こしているという仮説もあるようだ。
またアディポネクチンはガンなどの腫瘍を小さくするという報告もある。
そしてうれしいことに、アディポネクチンは年を取っても分泌量が減らないタンパクで、しかも長寿に関係するタンパクだという。
というのも100歳以上の女性と若い女性を比べた場合、100歳以上の女性が若い女性の2倍も多いアディポネクチンを持っていたというのだ。

 

コーヒーを飲むとアディポネクチンが増える!

最近の研究で、アディポネクチン血中濃度はコーヒー摂取量に伴って増加することが分かりました。
また、全身の炎症の指標である高感度CRP、中性脂肪、肝機能マーカーは、コーヒー摂取量が増えると、それぞれ減少することが分かりました。

つまり、コーヒー摂取量が増えるとアディポネクチンも増え、それを介して中性脂肪と炎症反応の減少、肝機能マーカーの減少をもたらす可能性を示したことになります。

タバコとコーヒーとアディポネクチン

タバコを吸う→コーヒー好き?
「タバコを吸う方にコーヒー好きが多い」という話は、昔はよく聞ききました、今は世の中が厳しく肩身の狭い思いをしてる方も多いですが・・・
理由は「コーヒーがあると、よりタバコが美味しく感じられるから」、「タバコを吸うと嫌な後味が残るけど、コーヒーを飲めば口がサッパリするから」等々。
また、コーヒーにはリラックス&ストレス解消効果があるので、ちょうど一服するには最適な組み合わせのかも知れませんね。

あと、コーヒーのお好みも、タバコ好きな方は「深煎りの苦いコーヒーが好き!」という傾向があるみたいです。
まぁ、浅煎りのアメリカンが好きな方もいらっしゃいますが、店長の感触です。


■喫煙によるアディポネクチンの低下をコーヒーで補う
さて今回は、「アディポネクチン」と呼ばれる「超善玉ホルモン」です。

アディポネクチンとは?
アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで血中に豊富に存在しています。
別名「超善玉ホルモン」とも呼ばれ、下記のような特徴があります。

 

1) 内臓脂肪が増えると、アディポネクチン血中濃度が低くなる。
→アディポネクチンの減少は、メタボリックシンドロームと深く関係。
2) アディポネクチン血中濃度が低いと、将来の2型糖尿病発症リスクが高くなる傾向。
3) アディポネクチン血中濃度が低いと、高脂血症(脂質異常症)や心筋梗塞の発症との関連も指摘。
4) 女性より男性の方が、アディポネクチン濃度が低い傾向。

そして、コーヒーにはアディポネクチンを増やす働きがあり、コーヒーを飲む量が多いほど血中アディポネクチンも多くなる傾向がありました。
一方最近の研究で、タバコを吸うと血中アディポネクチンが低下し、一日に吸う本数が多いほど血中濃度が低くなる傾向があることが分かりました。また女性よりも男性の方が血中アディポネクチンが低いため、「喫煙する男性」は要注意と言えます。
※禁煙すると、血中アディポネクチン濃度が回復し、20年以上禁煙を続ければ初めから吸わない人と同程度に戻るそうです。
ということは・・・
喫煙する人は、「減ったアディポネクチンを増やすためにコーヒーを飲みたくなるのかも?」と勝手に想像してみました。
健康を維持するために、自然と体が必要なものを欲することはよくあることですので。
例えば、お酒を飲んだ後にコーヒーを飲みたくなるのも、コーヒーによってアルコールが分解される効果が期待できるからでは、という考察をしたことがありましたね。
※コーヒーに含まれるカフェインには、肝臓でのアルコール分解を促す働きがあり、さらに利尿作用もあるので、アルコール分解後の老廃物も体外へ排出されやすくなります。
もちろん、健康のためにはタバコを吸わないのが一番良いかと思います。
タバコを吸う方は、くれぐれもお体にお気を付け下さい。

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