日本の喫茶店の礎となったのは、1888年東京上野で創業した、「可否茶館」というお店。
残念ながら経営は軌道にのらず、数年で閉店してしまいますが、驚くべきはその豪華さ。
店内には新聞、雑誌、ビリヤード台やトランプ、お風呂までもが完備され、さながらサロンのような店構えだったそう。
気になるお値段はというと、コーヒー1杯が1銭5厘。
かけそば1杯が8厘だったことを考えると、コーヒーがいかに高級品だったかがわかります。
当時の人々は、この「可否茶館」でコーヒーを飲みながら、さぞかし贅沢な気分を味わっていたのでしょうね。
「1杯のコーヒーから恋の花咲くこともある」というロマンティックな曲がありますが、1杯のコーヒーを通じて結婚も離婚も成立したのが16~17世紀のトルコ。
当時トルコでは、妻が夫にコーヒーを飲ませてもらえない場合には離婚が成立!
これは単なる慣習ではなくれっきとした法律でした。
また結婚の際、男性は女性に対して、日々コーヒーを欠かさないことを誓ったといいます。
コーヒー好きの女性にとっては、なんともうらやましいお話。
妻にコーヒーを飲ませる義務があった夫は、愛妻においしいコーヒーを飲ませるために、せっせと働いたのかもしれませんね。
「コーヒー」は英語で”Coffee”、独語で”Kaffee(カフェー)”、仏語では”Café(カフェ)”と綴り、その語源はコーヒー原産国であるエチオピアの古くからコーヒーを育んできた「Kaffa(カファ)」という地名に由来する説、
また「ワイン」を意味する言葉として使われていたアラビア語の「Qahwah(カフワ)」に由来するとも言われているそうです。
コーヒーを飲むと、お酒を飲んだときのように体が興奮し、心身ともに元気になることからそう呼ばれるようになったとか。
さて、あなたはどれが本当だと思いますか!?
お湯を注ぐだけで手軽に本格的なコーヒーが楽しめる、インスタントコーヒー。実は、コーヒーの普及もままならない1899年の日本で発明されたものでした。
発明者は、科学者の加藤博士。
博士は、液体のコーヒーを乾燥させて粉末にすることに成功し、世界初のインスタントコーヒーを誕生させました。
博士はアメリカへと旅立ち、インスタントコーヒーの販路を求めますが、特許申請を行っていなかったため、後に別のアメリカ人が特許を取得し、これが正式な“インスタントコーヒーの発明”と、みなされてしまいました。
加藤博士は、コーヒーを飲みながら、さぞかし悔し涙を呑んだことでしょう。
今や日本でもすっかりおなじみの「エスプレッソ」。
短時間で抽出されることから、英語の「express(急行)」が語源、という説はよく知られています。
その他にも「エスプレッソ」という言葉には、「特別に、注文ごとに」という意味があり、これが名前の由来になった、という説もあるそうです。
「エスプレッソが客を待つのではない。客がエスプレッソを待つのだ。」
というイタリアの言葉どおり、エスプレッソはお客様の注文を受けてから一杯一杯作られます。
バリスタの心が込められた、あなたのための特別なエスプレッソ。
じっくり味わいながら召し上がれ。